るりかけすの空は

能登半島

 「この景色、絶対に見たことがある!!」
・・・私はつたない(というか危険極まりない)運転をしながら、声を上げた。
 「知ってる、ここもあそこも!」
 能登半島は輪島の海岸線。もちろん訪れるのは初めてである。
 眼下に広がる日本海。海岸線の高台に沿って、黒瓦の日本家屋が連なる。
波は穏やかで、海原は驚くほどに美しく、太陽の光を受けて光輝いているのだが、どことなく裏寂しさが漂う。またその哀愁が良かったりもするのだが・・・。

 ともかく喉元までこみあげる記憶をもてあそびながら運転を続けるうちに
はた、と気付いた。
 「あ、あそこに江角マキコと内藤剛志が立ってた!!!!」(どういう思い出し方でしょう・・・) 思わず叫んでいた。

 私が大好きな映画監督のひとり、是枝監督の『幻の光』という映画の舞台だったのである。もちろんその時は確認する手段がなかったのだが、一度思い出したらほぼ間違いないように思えた。
 淡々と進む中にも静かに哀しみが流れる。背景の風景が美しいだけに、哀しみが引き立つ。
 江角マキコの初主演作品ということもあって、彼女の素人っぽさが気にならなくもないが、とにかく「絵」がきれいだった。
 観る数はやたら多いくせに、後々まで憶えている映画が本当に少ない中で、この作品は観たのが相当昔のことであるにも関わらず、一場面一場面をまるでお気に入りの写真集のようによく憶えている。
 是枝監督は光の使い方が絶妙に巧いとどの作品を観ても感じるが、特にこの『幻の光』に関しては、それは感動的ですらある。

 大好きな『ワンダフルライフ』を観返そうと思っていた矢先の出来事。
『幻の光』も観直してみたくなったことは言うまでもない。

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by sorapis | 2007-02-26 23:08 | Travel:るりかけすの旅

シンガーソングライターるりかけすの山と本とサブカルな日々の話。
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