るりかけすの空は

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タイトル決定!!

…とか言ってる場合じゃありません。

コラム原稿の〆切は数時間後。
はい、書き上がっていません。

どうしてですかね、テスト前とかに限って普段やらないことばかりやり始める。
何年経っても変わらない自分に呆れるやらホッとするやら。
そんなわけでブログ更新したりして。

さてさて、ライブが1週間後に迫って来ました。
ライブタイトルが決まりました、

「空へ還る日」です。

そう、「飛ぶこと」と「空」をテーマに素敵な詩や物語が集まりました。
今さらチラシなんて作ってみたんですが、配るところがない。
どう考えても遅過ぎです、バカ者な私。

それはさておき。
昨日は全員リハーサルでした。
いや、我ながらとても楽しみです。
言葉に浸っている感じ、音楽との絡み、本当に楽しいです。

今回は私のマヌケMCもなく、一気にひとつのステージとして見せます、聴かせます。
私も久々に朗読もすればピアノも弾きます(もちろん歌いますが)。
ピアノ曲だけっていうのも久しぶり。
お持ち帰り頂くブックレットも気合いを入れて制作中!!

皆さんと一緒に素敵な空が見られますように。

コラムはミヒャエル・エンデで書いています。
こちらも掲載次第、ブログへもアップしますので読んでやって下さい。
では原稿書きに戻ります。
ね、眠い…。
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by sorapis | 2009-10-30 03:23 | Murmur:つぶやき

楽譜屋という特別な場所

いくらでも時間をつぶせる場所というのがある。
それは人によって本屋かもしれないし、お気に入りカフェだったり、自分の好きなものを売っているショップかも しれない。

私の場合、それは楽器店の楽譜売り場である。
それなりに本好きではあるけれど、本は座ってゆっくりお茶でもすすりながら、もしくは寝る前に布団にもぐって 読みたい。本屋はどんなに頑張っても3時間くらいまでだ。

しかし、楽譜だけは違う。
始まりは小学生4年生の頃。場所は銀座にあるヤマハの楽譜売り場。
そこは私にとって、まさに楽園だった。
今行くとそれほど広いとは感じないが、毎日のように通っていた地元の楽器店には、申し訳程度の楽譜しかなかった こともあり、小学生にとっては十分過ぎるほど広く、その一面が楽譜で埋め尽くされているのかと思うだけで ゾクゾクした。
フロアに足を踏み入れる時の興奮は身体にしっかりと刻み込まれていて、今でも鮮やかに思い出すことができる。

当時、埼玉から銀座まで行くこと自体が遠足のようなものだったが、日曜日ともなると朝早いうちに上野行きの 電車に乗り、ドキドキしながら銀座線に乗り込んだものだ。
ほぼ開店と同時に店に入り、帰りの電車が許す限り楽譜を眺めていた。
高額な楽譜を買うおこずかいなど持ち合わせてはおらず、銀座へ行く電車賃だけで精一杯。
でも弾いてみたいと思う曲は山ほどあって、その曲の楽譜をひたすら眺めては頭に叩き込んで帰って来る。
あるいは、知らない曲の楽譜を読んでは、その曲を頭の中で鳴らしてみる。
レコードがなくても、自分の頭の中で新しい曲に出会う喜び。
それはどこへでも飛んでいける、まさにめくるめく「旅」だったのだ。

こんな生活は中学生になっても続いた。
むしろオペラや合唱曲まで覚えてしまったので、滞在時間は延びる一方だった。
今でも楽譜売り場なら、いくらでも時間を潰せる自信がある。
海外で町をそぞろ歩いていても、まず目につくのは楽器店。ショーウィンドウにピアノやギターが飾られている店を 見ると、迷わず店に入って、楽器を触ったり、ついつい楽譜を買いあさってしまう。日本では決して手に入らない 原典版が信じられないようなディスカウント価格で売られていたり、その国のトラディショナル(伝統音楽)の スコアが豊富に売られていたりする。どうしても欲しくてたまらなかったビゼーの『ラインの歌』という楽譜を 探して、ウィーンの楽譜屋を訪ね歩いたこともある(ドイツやオーストリアには楽器屋付属の楽譜売り場ではなく、 れっきとした「楽譜屋」がある)。

海外の楽器店、楽譜屋にはセンスの良い五線譜ノートなども種類豊富にあって、これまたすぐに欲しくなってしまう 。今では読譜より自分で曲を書く方が圧倒的なので、五線譜集めは創作の重な要素にもなっている。

神聖とさえ言える、自分だけの特別な場所。それが私にとっては楽譜売り場なのだ。


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ウィーン一の老舗、Doblinger

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Doblinger店内

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ヘンレ原典版。このブラームスもDoblingerで購入した一冊。

(これは2009年8月20日、BOOK246のコラムに掲載されたものです)
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by sorapis | 2009-10-09 04:42 | Travel:るりかけすの旅

『影の縫製機』 ミヒャエル・エンデ


『影の縫製機』(1982年、ドイツ/オーストリア)
 作:ミヒャエル・エンデ
 絵:ビネッテ・シュレーダー
 訳:酒寄進一
 長崎出版・2006年
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仕事でレビューを書くために3冊並行読みをしていた時、
ふと見上げた書棚に思いがけず目が止まった。
群青色のクロス装に、繊細な宇宙の絵が美しい紙箱入りの本。
『はてしない物語』や『モモ』で知られるミヒャエル・エンデが、
絶頂期に出した詩集『影の縫製機』である。

これは、大切な友人が2年前の誕生日に贈ってくれたもの。
はさんであった手紙に目を通して、当時の様子を懐かしく思い出しながら
珠玉の19篇をじっくりと読む。

—「影」。

光がある限り、意識していようがいまいが、それは存在する。
足下からのびる影を完全に忘れている人もいれば、
大きくなり過ぎた影に呑まれそうになっている人もいる。

エンデ独特の哲学観は、どこか村上春樹に通じる幻想的な世界を纏いながら、
影とのつきあい方をそっと教えてくれる優しさを持つ。
それは時間と共にじんわりと心に沁みてくる。
読んだ翌朝、得も言われぬ温かい気持ちがお腹の辺りを満たしていた。
人は「影」の存在を心から認め、受け入れられた時、
少し生きやすくなるような気がした。

繊細な線画でエンデの世界をより一層豊かに彩っているのは、
絵本売場に行ったことがある人なら 必ずや目にしているであろうビネッテ・シュレーダー。
細やかな陰影と色彩、柔らかなタッチの画風しか知らなかったので、
不可思議で、シュールレアリズムの影響も感じさせる緻密なモノクロの線画に軽い驚きを覚えた。

とはいえ、やはり原書を読んでみないことには。
そんな嬉しい再会もあった秋の夜長の出来事。

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1975年にスイスの「最も美しい本」賞、
1977年にライプツィヒ図書展の「世界で最も美しい本」賞を受賞したシュレーダーの『わにくん』。
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by sorapis | 2009-10-09 04:38 | Review:カルチャー

シンガーソングライターるりかけすの山と本とサブカルな日々の話。
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