るりかけすの空は

夜の横断歩道


車通りも人通りもない夜の横断歩道を渡るのが大好きです。
これは、中央分離帯のあるような大きな道路で、街灯が比較的少ないこと、渡るのは私一人であることが前提条件です。

当事者しかいない横断歩道と聞いて私が思い出すのは、ビートルズのレコード・ジャケットであり、夜の横断歩道に限定すれば、子どもの頃に読んだ『ドラえもん』のマンガです。寝静まった夜の街を、のび太がドラえもんとねり歩くのですが、その時にのび太が言うのです。

世界が自分のものになったみたいだ、と。

最近、真夜中とは言わないまでも、夜も更けた大きな通りの横断歩道を渡るのですが、かなりの確率で人気の消えた横断歩道に遭遇します。横断歩道を歩きながら、さすがに世界が自分のものになったとは思わないものの(それは現実的な大人になってしまったということで、淋しい気もしますが…)、何ともいえない清々しくて、ちょっぴり切ない気持ちになるのです。

そして、人生はいつまでも果てしなく続くのではなく、あとは残りの人生をいかに生きるかということを考えながら、日常のあたりまえのことを、丁寧に生きていかなくてはならないな、と思うのです。

横断歩道というありふれた光景から日常性が消えた途端、不思議なことを考えるものです。でも、そんなタイムポケットから芸術は生まれてきたし、これからも生まれるのでしょう。
そんなことを、横断歩道にほど近いライブハウスから未来を夢見るミュージシャンたちが吐き出されて来るのを見て思うのでした。
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by sorapis | 2013-06-09 02:02 | Murmur:つぶやき

シンガーソングライターるりかけすの山と本とサブカルな日々の話。
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