るりかけすの空は

 So Far Away

なぜか最近昔のことを鮮明に思い出すことが多くなりました。

ふと流れてくる音楽が
小中学生の頃に夢中で聴いていたものだったり、
好きだった食べ物のこととか、
ある瞬間を克明に切り取った匂いだとか。
その時の母の声までくっきりと思い出せそうな気さえするのです。

先日は無心で絵を描く機会があったり、
子どもの頃大好きだった映画を見直すことが増えたりしたからかもしれません。
今新しい映画を観ても、すぐに忘れてしまうことが多いのに、
子どもの頃、思春期の頃に観たり読んだりしたものって、今でも何ひとつ色褪せていないことに驚きます。

特に思い出すのは高校受験と大学受験の頃の感覚。
もう高校だったのか大学だったのかも思い出せないのですが、
ずっとペンを握って朝暗いうちから机に向かって英語を解いていたこととか、
学習計画帳を定規を使って几帳面に書いていた時の右手の感触とか。
部屋の壁の木のザラつきや冷たさ、じゅうたんの毛の感触。
結露で湿った窓ガラスの模様をずっと指でなぞっていたことも。

物は壊れます。
必ずと言っていいでしょう。
特に電化製品は数年で寿命を迎えます。
(その中で我が家のホームベーカリーは何と18年前のもので現役ですが)

でも、今この手元にある2本の定規は平均年齢26歳。
1本は今でも大好きなムーミンが、
まったく色褪せることなくスナフキンとフローレンとおしゃべりしています。
もう1本はもう少し古いにも関わらず、
今もいちばん使いやすい設計の定規で、
高校受験も大学受験でもお守りのように使っていました。

今日、まじまじとこの定規を見つめていたら、
ものすごく切ない気持ちになってしまったのでした。
たくさんのことを忘れて生きてきたけれど、
このプラスチックの板は何も変わらず、淡々と私の人生を見つめていたのだなぁ、と。
だって私は、学生時代はもちろん、社会に出てからも、お財布を忘れても筆箱は持っているような人間なのです。

そんな時にさらわなくてはならなかった曲がSo Far Away。

そう、まさにそんな気分なのです。
さすが、キャロル・キング。
鼻歌が止まりません(苦笑)。

So far away
Doesn't anybody stay in one place anymore?
It would be so fine to see your face at my door
Doesn't help to know you're just time away

Long ago I reached for you and there you stood
Holding you again could only do me good
How I wish I could, but you're so far away

One more song about movin' along the highway
Can't say much of anything that's new
If I could only work this life out my way
I'd rather spend it bein' close to you.

But you're so far away
Doesn't anybody stay in one place anymore?
It would be so fine to see your face at my door
Doesn't help to know you're so far away

名曲です。

ちなみに下の写真は、ヘレン・ハンフ『チャリング・クロス街84番地ー書物を愛する人のための本』初版本の表紙(見せていただきました)。
今は中公文庫で風情どころではない表紙なのが残念ですが、So Far Awayと同じ気持ちになる大好きな一冊です。

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by sorapis | 2013-03-14 00:54 | Murmur:つぶやき

シンガーソングライターるりかけすの山と本とサブカルな日々の話。
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